+1℃ Column

もうすぐ冬至、寒さも本番!かぼちゃとゆずで“冷えとり”&風邪予防。 昔の人の知恵に習って、寒さを乗りきりましょう

2018.12.19

12月22日は冬至(とうじ)、1年中で最も昼が短い日です。太陽のチカラが最も弱まる時期と考えられており、昔から「冬至かぼちゃ」や「運盛り」、「ゆず湯」など冬を乗りきるためのさまざまな工夫がされています。

そこで今回は、なぜかぼちゃが“冷えとり”につながるのか、ゆず湯の効能は?など、昔の人の知恵を紐解いていきたいと思います。

冬至にかぼちゃを食べると中風(脳卒中)や風邪にならないといいう言い伝えがあります。物流が発達していなかった昔は、秋野菜の収穫も終わったこの時期にビタミンの供給源を確保するのは大変なことでした。かぼちゃは体内でビタミンAに変化するカロテンや、ビタミンC・Eが豊富、保存もきくため大切な食べ物として珍重されたのです。

ビタミンAは、粘膜を健康に保ったり、抵抗力を高める働きがあります。鼻やのどの粘膜が乾燥すると細菌やウイルスなどが侵入しやすくなるので、風邪予防のためにも積極的に摂りたいビタミンです。

ビタミンCは、美容のビタミンというイメージが強いかと思いますが、実は”冷えとり”にも深い関係があります。ビタミンCには、鉄の吸収を促進したり、毛細血管の機能を保持したりする働きがあり、これによって血行がよくなり、手足の冷えを改善する効果が期待できるのです。

高い抗酸化作用をもつところから“若返りのビタミン“ともいわれるビタミンEは、滞りがちな血行をよくし、ホルモンの分泌を調整、冷えや肩こりなど慢性的な悩みを改善に導いてくれます。

“冷えとり”のためのビタミンがどれも摂れるかぼちゃは、まさに「エース(ACE)」級の食べ物なのです。

■小豆も加えてパワーアップ「いとこ煮」

「いとこ煮」という名前は聞いたことがあるでしょう。かぼちゃと小豆の煮物のことです。かぼちゃと小豆って親戚なの?と疑問に思った人もいるかもしれません。全国には、かぼちゃの代わりに里芋を使ったり、根菜やこんにゃくを一緒に煮たものなど、さまざまな「いとこ煮」があります。ということで、親戚説はくずれました……。由来はいとこ煮の調理法にあるそうです。小豆だけ先に下ゆでし、硬いものからおいおい(甥甥)煮ていく、野菜と小豆をめいめい(姪姪)に煮るところから名づけられたのだとか(諸説あります)。

小豆は小さな粒ですが、タンパク質やビタミンB群、鉄・カリウム・カルシウムなどのミネラル、食物繊維など体によい栄養素がいろいろ含まれています。昔の人はその効能を知っていて、小豆は「邪を払う」と言い伝えてきたのでしょう。寒い時期にお汁粉や小豆粥などを食べて、寒さを乗りきる栄養を補給していたのです。

その小豆の栄養とかぼちゃのビタミンA・C・Eが一緒に摂れちゃうって、実は「いとこ煮」ってすごい料理だったのです。

■冬至は湯治に、ゆずは融通に通じる

ゆず湯に入る習慣は、江戸時代に始まったといわれます。元々は「冬至→湯治」「ゆず→融通」から『ゆず湯に入って融通よく』という客寄せのためだったようです。しかし、今ではゆず湯にはさまざまな効能があることがわかっています。

ゆずのビタミンC含有量は柑橘類の中でもトップクラス。ビタミンCの溶けだしたお湯に入ることで、肌を守るバリア機能を保つ効果が期待できます。また、ゆずの爽やかでやさしい香りは、リラックス効果をもたらします。

お湯で温まれば、全身の血液の巡りがよくなりますし、お風呂でリラックスすることは、自律神経の乱れの調節にもつながりますから、ゆず湯はまさに一石二鳥の冷えとり湯といえますね。

■いくつ知ってる?「ん」のつくもの

冬至に「ん」のつくものを食べると「運」が呼び込めるといわれます。「運盛り」というゲン担ぎのようなものですが、にんじん、れんこん、きんかんなど、旬のものを食べて寒さを乗りきるという意味合いもあります。なんきん(かぼちゃ)、うどん、ぎんなん……他にもいろいろありそうですね。いくついえますか?

しっかり冷えとり対策をして+1℃で、寒さの時期を乗りきってくださいね。

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