+1℃ Column

冷え性だから関係ないとあなどるなかれ! 熱中症と冷え性の恐るべき関係について。

2019.08.21

今や警戒警報を聞かない日はないというほど深刻な夏の問題「熱中症」。私は冷え性だから大丈夫!などと思っていたら大きな勘違い!実は、冷え症の人ほど熱中症に注意が必要なんです。

今回は、ひとつ間違えれば命の危険にもかかわる熱中症と冷え性の関係についてご紹介していきます。

■熱中症のメカニズム

真夏日、猛暑日、熱帯夜・・・日本の夏の暑さを表す言葉はいろいろです。中でも「熱中症」は命にかかわることから、ニュースなどでもよく取り上げられています。暑い日中は「外出は控えましょう」とか、「風通しや水分補給に気をつけましょう」といったアナウンスがいたるところから発せられます。「暑気あたり」といっていた昔に比べてなんとも暴力的な感じがします。

「熱中症」は、「高温環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調節機能が破綻するなどして、発症する障害の総称(参照:環境省熱中症予防情報サイト)」と定義されています。体温上昇や発汗停止、けいれん、精神錯乱、昏睡などさまざまな症状が起こり、重篤な場合は死に至ることもあります。

熱中症は体温調節のメカニズムと関わっています。体温より気温が高ければ、皮ふから放熱し体温の上昇は抑えられます。また、湿度が低ければ汗をかくことで熱が奪われます。しかしここ数年の異常気象のような、体温よりも気温が高い状態になると、空気中への熱の放出は難しく、さらに湿度も高い状態では、発汗による体温調節すらうまくできなくなってしまいます。このような体温コントロール機能の不全により、体温がぐんぐん上がってしまうのです。

室内や夜間でも熱中症を発症するのは、湿度が高くて汗が蒸発しにくくなり、体に熱がこもってしまうためです。部屋の温度と湿度を一度チェックしてみるとよいでしょう。

■冷え性の人は暑さに弱い

冷え性は「暑さに対する体温調節機能が落ちている人(または状態)」と言いかえることができます。つまり、暑さに弱い人なのです。暑さは感じていても汗をかかない人も多いようです。汗をかかないということは、正常な体温調節ができないため、熱が体にこもってしまいます。この熱のこもった状態が、熱中症を引き起こすのです。

エアコンは苦手!などといわずに熱中症予防のためにも適切にエアコンを使いましょう。そんなに暑くないという日でも、意識して水分補給をすることも忘れずに。

エアコン+扇風機で冷えすぎを防ぎながら部屋全体を涼しく

夏場のエアコンの推奨温度は28℃とされています。でもエアコンの効いた部屋では足元が寒い…そんな経験はありませんか?冷たい空気は下に行くので、エアコンのセンサーが感じるあたりの空気はまだ暖かいことが多いのです。そこを冷やそうと、さらに冷やし続けるため下の方は冷やしすぎになってしまうのです。直接風があたらないようにしていても、手足が冷えるのはそのためです。

そこで、扇風機!

床や壁に向けて回すことで、下に溜まった冷気が部屋全体に冷たい風が行きわたるようになり、エアコンの設定温度を上げても効率よく冷やすことができます。ちなみに設定温度を1℃上げると約10%の節電になるといいますから、体のためにもお財布のためにも一挙両得です。

■水分補給にもひと工夫

体の水分の約5%が失われると脱水症状になります。ヒトは呼吸や発汗、排泄などで1日に約2.5Lの水分を排出しています。体の中で作られる水分以外は、飲み水で補給する必要があるのです。のどが渇いたと感じたときは、もう脱水は始まっています。「渇く前に、こまめに」を心がけてください。

野菜やフルーツハーブなどを加えたフレーバーウォーターは、口あたりもよくほのかな香りがして飲みやすいのでおすすめです。水溶性のビタミンやミネラルも補給できますね。

キンキンに冷えた飲み物を飲むと、口の中のセンサーが働いて、もう汗を出す必要はないと勘違いして、発汗を止めてしまうことがあるので注意しましょう。入浴後などの水分補給は、常温か冷蔵庫で軽く冷やすくらいがよいでしょう。

まだまだ厳しい暑さが続きます。熱中症対策と+1℃習慣続けて、夏を乗りきってくださいね。

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