Doctor's Clinic

タイプによって症状もいろいろ、自分の冷えのタイプをチェックしてみましょう

2018.04.25

冷えの原因もさまざまです。女性と男性、年齢や生活習慣によっても異なります。感じ方や気になる症状もいろいろです。原因によって対策の仕方も変わりますので、自分の冷えのタイプを知ることは大切なことです。

ここでは、日本冷え性改善協会監修ドクター奴久妻先生の監修による「冷えのタイプ別特徴」と見分けるチェックポイントを紹介します。

それぞれの1~10の項目のうち、あてはまるものに☑をつけてください。

四肢末端型冷え:手足の先など体の末端が冷えるタイプ

若い女性に多くみられ、食が細い、筋肉量が少ない、貧血気味で痩せ形、汗をかかない、夜も寝つきが悪いといった傾向があります。青白い顔で儚げな乙女のイメージから、“乙女タイプ”とも呼ばれます。

貧血があって酸素を運ぶ血色素が少ないと、エネルギーの材料である酸素がうまく組織に届けられず、ミトコンドリアの活性が低下し、熱産生が低下します。深部の体温だけは保とうと、末梢の血管が熱を逃がさないように収縮した状態にあるので、手足の末端に強く冷えを感じます。

 

下半身型冷え:上半身に比べて下半身に冷えが集中するタイプ

熟年女性に多くみられるタイプで、症状も更年期障害と一部重複します。上半身は火照って顔や胸、背中に汗をかきやすい一方、下半身は冷えてむくみを生じやすくなります。運動不足で日中イライラしやすく、夜間頻尿があるのが特徴で、“熟女タイプ”と呼ばれます。

加齢や運動不足によりお尻の筋肉が硬化して、下半身を走る坐骨神経が圧迫されると、坐骨神経に併走する交感神経に作用して、下半身の血管が収縮します。エネルギーが作られても下半身の血流が低下するため、全身にうまく熱を運ぶことができず、上半身に熱がこもることになります。

 

内臓型冷え:末梢に比べて深部の内臓が冷えるタイプ

1年中手足が温かく、全身に汗をかきやすい一方で、お腹周りは冷えています。風邪をひきやすかったり、アレルギー症状を起こしやすかったりします。

一般的には、寒冷環境では交感神経が働いて末梢の血管を収縮させて熱を逃がさないようにするのですが、このタイプは交感神経の活性度が下がり、寒い状況でも血管が収縮しないため、拡張した血管から熱が逃げることになります。

末梢は温かい一方、免疫細胞が集中する腸は冷えて、免疫能が衰え、冬でも暑がりなので一見すると健康そうに思えますが、実は感染症やアレルギーに弱いタイプで “見かけ倒しタイプ”と呼ばれます。

 

代謝・血管型冷え:頬や手足の先が赤紫に変色、血流が滞るタイプ

冬場に多く、体温調節機能が未熟な赤ちゃんや、機能が衰えた高齢者に多くみられる冷えです。寒冷ストレスにより末梢の血管は収縮しますが、通常はフィードバックにより徐々に拡張してきます。ところがこのタイプは、収縮したままの状態にあるため、末梢への血流が滞って手足の先に極度の冷えを生じます。

体温調節機能は、自律神経の偏りの他、血管の老化にも影響を受けます。“しもやけタイプ”と呼ばれます。

 

夏型冷え:屋外と室内の寒暖差に対処できていないタイプ

夏場に多く、主に女性にみられるタイプです。暑い屋外では血管が拡張して発汗による体温調節を行っていますが、そのまま冷房の効いた屋内へ入ると、拡張した血管から熱が逃げて、寒気を感じるようになります。

特に首筋、手首、足首は太い血管ありますが、皮ふが薄いため、冷えた空気にふれる、熱が逃げやすく、薄着の夏に背筋がゾクゾクするような冷えを起こします。肩や首の凝りや消化不良など、さまざまな不調をきたすこの冷えは、夏にちなんで“怪談タイプ”と呼ばれます。

 

生活習慣型冷え:暴飲暴食や不規則な生活で血流が滞ったタイプ

体表面も深部も、体全体の体温が低いタイプです。運動をせず肥満気味で、お風呂よりシャワーを好み、暴飲暴食や不規則な生活で体中の血液の流れが滞った状態にあります。汗はベタベタとして臭く、特に局部に大量の汗をかきやすいという特徴があります。

血流が悪いため、老廃物が排出されにくく、食べる量が多い割には、エネルギーの産生が低く、消費も低い状態で、効率が悪いので“無駄食いタイプ”と呼ばれます。

いかがでしたか?、それぞれ5個以上☑がついたものが、あなたの冷えのタイプですが、いくつかのタイプが重複している場合もあります。

*自分が冷え性なのかどうかわからないという人は『寺澤変法の冷え症度チェックで、確かめてからやってみてもよいと思います。

◎ドクタープロフィール

奴久妻 智代子(ぬくづまちよこ)先生 医学博士・獣医師

2000年より、温熱療法の全身温熱療法の基礎研究に従事。深部体温の制御性、効率性、および安全性に優れた加温機器の開発や、さまざまな加温法による効果と安全性などを研究している。詳しくは下記サイトをご覧ください。

http://thermo-cc.com/readme/staff_nukuzuma.html

人気記事ランキング

タグ一覧

Pagetop