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その睡眠負債が冷えを招く。体温上げて良質な睡眠を!

2018.01.17

最近よく耳にする「睡眠負債」。ちょっとの寝不足も、積もり積もれば心身に悪影響を及ぼし、命に関わる病気のリスクも高まると聞きますので、休日に寝だめするから大丈夫! などと軽く考えていてはいけないようです。

そして、この睡眠不足、実は「冷え」とも大きな関わりがあるのです。体が冷えているから、よく眠れなくて寝不足なのか、たまった睡眠不足が「冷え性」を招くのか……卵が先か鶏が先か? いずれにしても見逃せない因果関係がありそうです。

■日中と夜の体温差が大きいほど熟睡できる

はじめに、質のよい睡眠をとる方法を、ちょっとおさらいしてみましょう。

体温は日中活動している間は高く、夜になると手足から放熱することで深部体温を下げ、“休息モード”に切り替えます。日中と夜の体温差が大きいほど、眠気は強くなります。ですから、眠りにつく前に体を温めておけば、眠りにつくタイミングで脳が体温を下げる司令をだして、手足の熱を放熱するため、スムーズに眠りに入れるというわけです。つまり、眠りにつく前に、意識的に体温を少し上げておくのがよいということです。

冷え性だったり、寝る前に体を冷やしてしまうと、手足がなかなか温まらずに放熱もおきないので、眠りの質も下がってしまうのです。

■睡眠不足と末梢血管を収縮させる自律神経の関係性

ヒトの体には、気温や室温などにかかわらず体温を一定に保つ機能があります。その際に脳や内臓など、生命活動に関わる部位の保温が優先され、手足など末梢の血流は減らされます。これが、手足が冷える原因、手足の血管の収縮です。そして、司令塔である脳と、末端の細胞をつなぐのが「自律神経」です。

睡眠のリズムは自律神経のリズムと大きく関係しています。睡眠不足などの状態になると、自律神経のリズムも崩れてしまいます。つまり、睡眠不足が自律神経のリズムを乱し、それによって手足の血管が収縮して冷えを招くという、負のスパイラルに陥るということです。

■あなどれない睡眠不足

「たかが寝不足」と軽くみてはいけません。睡眠が不足すると、脳の疲労回復や細胞の修復が十分できず、免疫力が下がったりさまざまな疾患のリスクが高まったりします。基礎代謝も下がり、冷えにつながります。

よく眠るためには、体温を上げて血流をよくし、体の表面から放熱させて休息モードに切り替えることがポイントなのです。

寒い冬でもぐっすり眠るために、日頃から体を温めておきましょう。忙しい毎日ですが、自律神経のリズムを乱さないように、できる限り生活リズムも一定に。ときにはリラックスすることも大切です。睡眠負債に陥らないように、スマートに温活して、良質な眠りを。

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